派遣の仕事は好き。でも、派遣の人間関係が苦手でした

まりん

先日、以前の職場で一緒だった派遣仲間から連絡がありました。
スマホに表示された名前を見た瞬間、ちょっと心が震えました。

「どうしてるのかなと思って。元気?」
「今度会わない?」

久しぶりの連絡でした。
でも私は、どこか素直に喜べませんでした。

なぜなら、その人のことをよく知っているからです。
おそらく彼女が本当に気になっているのは、私が元気かどうかではありません。
「次はどこで働くのだろう」「自分より条件のいい仕事に決まったのだろうか」
そんなことを知りたいのではないかと、どうしても思ってしまいます。

そして私が話したことは、おそらく他の派遣仲間にも広がっていくでしょう。
実際、これまでに何度も似たような経験がありました。

その連絡をきっかけに、私は改めて考えました。

もしかしたら私は、派遣という働き方そのものではなく、派遣特有の人間関係が苦手だったのかもしれない。

今日は、そんなお話です。

派遣の仕事そのものは、むしろ自分に向いていた

私はこれまで何度か派遣社員として働いてきました。

派遣という働き方には、たくさんの良さがあります。仕事内容が比較的明確であること。契約期間という区切りがあること。もし職場が合わなくても、契約満了という形で環境を変えられること。正社員のように転勤や異動の心配も少なく、自分の生活スタイルに合わせて働きやすい面もあります。

実際、私は仕事そのものに大きな不満を感じたことはありませんでした。与えられた業務を丁寧にこなし、周囲と協力しながら働く。そういう働き方は、むしろ自分に向いていたように思います。

でも、働く期間が長くなるにつれて、少しずつ気になることが出てきました。

それが、派遣社員同士の人間関係です。

同じ立場のはずなのに、なぜか比べられる

派遣社員同士は、一見すると同じ立場のように見えます。けれど実際には、違います。

時給も違う。契約内容も違う。担当する仕事も違う。勤務時間も違う。

それなのに周囲からは、ひとまとめに「派遣さん」として見られます。この曖昧さが、人間関係を複雑にしているように感じていました。

以前働いていた職場で、こんなことがありました。

お昼休みに同じ派遣仲間と食堂で向かい合わせになったときのことです。ランチを食べながら少し話していると、不意にこう聞かれました。

「まりんさんって、時給いくらなの?」

私は笑ってごまかしました。

なぜなら、その質問に正直に答えても、誰も幸せにならないと思ったからです。
もし自分の方が高ければ嫉妬されるかもしれないし、逆に低ければ見下されるかもしれません。どちらにしても、良い結果は出ないと思いました。

それでも時給や契約条件を知りたがる人は少なくありません。

「次はどこに決まったの?」「在宅勤務あるの?」「残業はどのくらい?」

一見すると何気ない会話のように思えるのですが、でも、その奥には誰かと比較して自分がどの位置にいるのか、自分が他の人と比べてどうなのか、知りたいという気持ちが隠れていることがあります。もちろん、純粋に興味を持って聞いてくる人もいます。

全員がそうではありませんが、でも派遣という立場は、どうしても条件で比較されやすい世界なのです。
私自身、以前は聞かれたことに正直に答えていました。でも経験を重ねるうちに、こう思うようになりました。

話さなくていいことまで話す必要はない。自分の人生は、誰かと比較するためのものではないのだから。

仲良くなったと思ったら噂になっていた

派遣社員同士は、意外と早く打ち解けます。同じ立場だからこそ、不安や悩みを共有しやすいからです。

ランチを一緒に食べる。休憩時間に雑談をする。気がつけばプライベートな話までしていることもあります。私もそうでした。

ある時期、転職をしようかと迷い始めていた私は、仲の良かった一人の派遣仲間だけに話したことがあります。「実は次の仕事を探そうかと思ってて、A社に応募してみようかと思ってるんだ」と、ちょっと相談するつもりで打ち明けたのです。

ところが数日後、別の派遣仲間からこう言われました。

「A社に応募するんだって?うまくいくといいね」

私は思わず言葉を失いました。その話をしたのは一人だけだったのに、と。

悪意はなかったのでしょう。彼女にとってはただの世間話だったのかもしれません。
でもその瞬間、私は思ったのです。職場で話したことは広がることがあるから気をつけなければいけないのだと。

それ以来、私は職場で自分のことをあまり話さなくなりました。

すると今度は、「あの人は何を考えているかわからない」と言われるようになりました。
話せば広がる。話さなければ壁を作っていると思われる。人との距離感というのは、本当に難しいものだと思います。

「お局派遣」との距離感に悩んだこともあった

どこの職場にも、長く働いている人がいます。そして長くいることで、いつの間にか職場の空気を作っている人もいます。

私が働いていたある派遣先にも、そんな人がいました。社員ではありません。私と同じ派遣社員です。でも、新しく入った人たちはみんな、その人の顔色をうかがっていました。

「それはこうした方がいいよ」「前からそうだから」「みんなそうしているから」

最初は親切な人だと思っていました。仕事を丁寧に教えてもらったこともあります。

けれど時間が経つにつれて、少し違和感を覚えるようになりました。
いつの間にか、その人の考えが職場のルールになっていたからです。

気に入られている人と、そうではない人。自然とグループができていて、見えない線引きがあるように感じました。

あるとき、私は少しだけその人と意見が食い違ったことがありました。業務の進め方について、私なりに効率的だと思うやり方を提案したのです。するとその人は、ニコニコしながらこう言いました。

「まりんさん、ここではね、みんなそうはしないの」

その一言で、ここでは空気を読まなければいけないのだと感じました。その後しばらく、その人の機嫌を気にしながら仕事をする日が続きました。

若い頃の私は、その輪の中に入ろうと頑張っていました。嫌われたくなかったからです。認めてもらいたかったからです。
でも、どれだけ頑張っても全員に好かれることはできませんでした。

今思うと当然で、無理をして輪に入る必要はなかったのに、当時は一生懸命だったのです。

仕事をきちんとすること。挨拶をすること。礼儀を守ること。それだけでよかったのに、です。

一人でいることは、悪いことではない

派遣で働いていると、「孤立したくない」という気持ちが強くなりがちです。特に新しい職場ではそうです。

お昼を一人で食べるのが気まずい。休憩時間に話し相手がいない。周りが楽しそうに話していると、自分だけ取り残されたような気持ちになる。

私にもそんな時期がありました。

ある職場での話です。その頃の私は、お昼を一人で食べることがどうしても気になっていました。みんなが二人、三人とテーブルを囲んでいる中、一人でお弁当を広げるのが恥ずかしいような気がしていたのです。

だから無理をして話しかけてみたり、誘われた飲み会には疲れていても行ったりしていました。

でも振り返ってみると、一人だから困ったことはほとんどありませんでした。むしろ、人間関係に振り回されていた頃の方が、ずっと疲れていたように思います。

興味のない噂話を聞く。誰かの悪口に同調しないよう神経を使う。派閥のような空気を感じながら立ち回る。そんな毎日は、思った以上に消耗します。

一人でいる時間は、孤独ではありません。自分を整える時間です。

好きな本を読む。音楽を聴く。次の目標についてゆっくり考える。静かな時間の中で、自分自身と向き合うことができます。

私はいつの頃からか、一人でいることを怖いと思わなくなりました。

孤立することと、自立することは違います。

その違いに気づいたとき、人間関係への不安はずいぶん小さくなりました。

派遣のメリットは「離れられること」でもある

派遣という働き方には、良い面もあれば不安定な面もあります。

でも、派遣だからこそのメリットもありました。それは、環境を変えやすいことです。

もし職場が合わなければ、契約満了という区切りがあります。人間関係がどうしても苦しいなら、別の職場を選ぶこともできます。

正社員だった頃の私は、辞めることに強い罪悪感を持っていました。「もう少し頑張らなきゃ」「我慢が足りないのかもしれない」そんなふうに自分を責めていました。

でも今は違います。自分を壊してまで続ける必要はないと思っています。

人生は仕事だけではありません。働くために生きているのではなく、生きるために働いているのです。

だから環境が合わないなら離れる。それは逃げではなく、自分を守るための選択だと思えるようになりました。

今回の再会で決めたこと

今回、元同僚と会う約束をしました。

きっと仕事の話になるでしょう。最近どうしているのか。次はどこで働くのか。そんな話題になると思います。

以前の私なら、聞かれたことを全部話していたかもしれません。でも今は違います。

話したいことだけ話せばいい。話したくないことは話さなくていい。そう思えるようになりました。

転職活動の詳細も。すべて説明する義務はありません。
まだ仕事は決まってはいませんが、もし仕事が決まったとしても、「ご縁があって決まりました」それくらいにしておこうと。自分の情報は自分で守る。それも大人に必要な知恵だと思うのです。

以前の私は、「隠さなきゃいけないことかな」と思っていました。でも今は違います。自分を守るために必要な距離感は大事、そう思っています。

派遣の人間関係が教えてくれたこと

私は派遣という働き方を否定したいわけではありません。実際、たくさん助けられてきました。

仕事を紹介してもらえたこと。さまざまな職場を経験できたこと。新しいスキルを身につけられたこと。感謝していることもたくさんあります。

ただ、人間関係については多くのことを学びました。

誰とでも仲良くしなくていいこと。自分の情報は自分で守ること。他人と比べないこと。そして、自分に合わない環境から離れてもいいこと。

若い頃は、人からどう思われるかばかり気にしていました。でも今は違います。

大切なのは、自分が心穏やかに働けること。それに気づけたのは、派遣という働き方を経験したからかもしれません。

まとめ|自分を守る距離感があっていい

職場の人間関係で悩んでいると、「もっと頑張らなければ」と思ってしまうことがあります。

もっと愛想よく。もっと合わせて。もっと我慢して。

でも、本当に必要なのは頑張ることではない場合もあります。

少し距離を取ること。話しすぎないこと。比べないこと。それだけで心がずいぶん楽になることもあります。

派遣社員同士だから仲良くしなければいけないわけではありません。
職場は仕事をする場所です。もちろん協調性は大切ですし、相手を思いやる気持ちも必要です。
でも、自分を犠牲にしてまで人間関係に合わせる必要はありません。

誰かにどう見られるかより、自分が心穏やかに過ごせることの方が大切です。

もし今、派遣の人間関係に疲れている方がいるなら、伝えたいことがあります。

あなたがおかしいのではありません。同じような違和感を抱えながら働いている人は、きっとたくさんいます。だから、無理をしないでください。自分を守る距離感を持ってください。

そして忘れないでください。
仕事は人生のすべてではありません。あなたの人生は、職場の人間関係よりもずっとずっと大切なものです。

そして、あなたには自分らしく働ける場所を選ぶ権利があります。

そのことだけは、どうか忘れないでいてください。

ABOUT ME
まりん
まりん
はじめまして、まりんです。 地方都市で一人暮らしをしている60代のシングル女性です。 長年、事務職の仕事を続けてきましたが、契約期間満了を機に退職することになりました。 現在は新しい仕事を探すため、ハローワークへ通いながら再出発の準備をしています。 特別な資格も才能もなく、ごく普通の人生を歩んできました。 職場の人間関係に悩んだこともあり、病気を経験したこともあります。 それでも、何歳からでも人生はやり直せることを信じて、一歩ずつ前に進みたいと思っています。 このブログでは、仕事探しの記録、一人暮らしの日常、老後への備え、ここ(地方都市)での暮らしについて綴っています。 同じように不安や悩みを抱えながら頑張っている方に、「ひとりじゃない」と感じてもらえたら嬉しいです。
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