老後のお金、正直こわい 60代のわたしが「今からできること」を調べてみた
「老後のお金、大丈夫かな……」
そんな不安が頭をよぎるのは、たいてい夜、布団に入ったときです。
ハローワークに求職の相談に行き、失業給付の手続きをしながら実感しています。
年金だけでは足りないし、貯金は有限です。体だってこれからどうなるかわからないし。
先日、ハローワークの「生涯現役支援コーナー」に相談に行ってきました。担当してくれた職員さんは明るくて親切で、「またいつでも来てくださいね」と送り出してくれました。ありがたかったです。でも帰り道、ふと思ったのです。
仕事が見つかったとして、それで老後のお金は、本当に大丈夫なのでしょうか。
不安を並べればきりがありません。でも並べてばかりいても仕方がないので、少し腰を上げて調べてみました。60代のわたしが「今からでもできること」を、自分のために整理した記録です。
なぜ60代になると急に不安になるのか
若い頃は目の前のことで手一杯でした。
仕事はもちろんですが、突然の病気、毎月の生活費、それらに精一杯で、老後のことは「なんとかなる」と後回しにしてきたところがあります。
ところが60を過ぎる頃になると、急に「老後」が現実として目の前に現れることになるのです。
しかも最近、追い打ちをかけるように物価が上がっています。
先日スーパーに行ったら、いつも買っているバターがまた値上がりしていました。
そういえば卵も、マヨネーズも、少しずつ上がっています。「節約しているつもりなのに、なぜか食費が増えている」という感覚、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
収入が増えにくい老後に物価上昇は、じわじわと、でも確実に影響を与えます。
不安になるのは当然なのです。問題は、不安のまま立ち止まってしまうことだと思います。
実際、毎月いくら必要なのか
まず現実を見てみましょう。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月25万〜27万円程度の生活費がかかるとされています(総務省の家計調査より)。食費、光熱費、医療費、交通費……ざっくりそのような感じでしょうか。
「ゆとりある老後」を望むなら、月38万円という試算もあります。旅行、趣味、孫へのプレゼントなど夢は広がりますが、お財布との相談が必要になります。
一人暮らしの私は夫婦世帯ほどかからないにしても、年金だけで賄える額でないのは明らかです。
ただ、この数字を見て落ち込む必要はありません。大事なのは「平均」ではなく、自分の暮らしに必要な金額を把握することなのです。人と比べても意味がありません。自分の生活の実態を知ることが、第一歩だと思っています。
まずやるべきは「家計の見える化」不安の正体は、たいてい「知らないこと」
不安の多くは、わからないから膨らむのです。
年金はいくらもらえるのか
毎月いくら使っているのか
今の貯金はあと何年もつのか
これが曖昧なままだと、漠然とした恐怖だけが育っていくのです。
知人の話を思い出します。
退職後に初めてきちんと家計簿をつけてみたら、毎月3万円以上の使途不明金があったといいます。コンビニのついで買い、なんとなくクリックしたネット通販、気がついたら引き落とされていたサービス料など小さな出費が積み重なっていました。
「知らなかっただけで、ずっと浪費してたんだね」と笑っていたけれど、笑えない話でもあります。
まず一か月だけ、支出を書き出してみましょう。アプリでも手帳でも何でもいいのです。書き出すだけで、もやもやが少し晴れます。
固定費の見直しは「一度やれば効果が続く」お得な作業
節約というと食費を削るイメージがあるけれど、効果が大きいのは固定費なのです。
毎月必ず出ていくお金を減らせば、がんばらなくても自動的に節約できます。
保険料
子どもが独立しているのに、若い頃に入った高額な死亡保障をそのまま払い続けていないでしょうか。わたし自身、数年前に保険を見直したとき、「これ、もう必要ないじゃないか」という特約がいくつかついていて、解約したら月1万円以上浮いたことがあります。あのまま気づかずにいたら、と思うとちょっと怖いです。
スマホ料金
大手キャリアから格安プランに変えるだけで、月5,000円以上の節約になることも。「手続きが難しそう」と敬遠する気持ちはわかりますが、最近は乗り換えのサポートが充実しているところも増えました。年間6万円の差は、決して小さくないと思います。
使っていないサブスク
「なんとなく入ったまま」のサービスが意外とあります。動画配信、音楽アプリ、有料メルマガ……月数百円でも、年間で見ると馬鹿になりません。クレジットカードの明細を見直すと、「あ、これまだ払ってたの?」という発見があるかもしれません。
固定費は、一度見直せば効果が継続します。毎月食費をがんばって削るより、精神的にもずっと楽ですよ。
健康は最大の節約である
お金の話をしていると、貯金や投資ばかりに目が向きがちです。
でも、最近しみじみ思うのは、健康こそが老後最大の資産だということです。
65歳以降の医療費自己負担、介護費用は確実に増えます。体が丈夫であることは、そのままお金の節約につながるのです。
近所に住む70代の女性が、毎朝ウォーキングを続けています。「最初は膝が痛くてしんどかったけど、続けてたら楽になったし、顔見知りも増えたし、病院にもほとんど行かなくなったよ」と話していました。
健康のために始めたことが、医療費の節約にも、孤独の解消にもなっています。一石二鳥どころか三鳥くらいあるのです。
毎日の散歩、バランスの良い食事、定期健診、地味だけれど、これが一番効く老後対策かもしれません。
働けるうちは無理せず働く
最近は65歳を過ぎても元気に働く人が増えています。再雇用、パート、シルバー人材センターなど働き方の選択肢は以前より広がりました。
月5万円でも、年間60万円。10年続ければ600万円になる。数字で見るとなかなか大きいものです。
お金だけじゃありません。働くことで生活リズムが整う。人と話せる。社会とつながれる。わたしがハローワークに通っているのも、半分はそういう理由からなのです。条件が合う仕事はなかなか見つからないけれど、探し続けること自体が、今のわたしには大事な「日課」になっている気がします。
無理をする必要はありません。でも「もう年だから」と最初から諦めるのは、もったいないと思っています。
お金は「守りながら使う」時代
インフレが続く今、銀行にただ預けているだけでは、お金の価値が目減りしていく可能性があります。
新NISAなど、資産を少しずつ育てる制度も整ってきています。60代で大きなリスクを取る必要はありません。
ただ、
すぐ使うお金(生活費・数か月分の予備)
いざというときのお金(急な医療費など)
当面使わないお金(余裕資金)
この三つを分けて考えるだけでも、お金の扱い方は変わってきます。
「よくわからないから手をつけない」ではなく、「少額から、学びながら始める」が現実的だと思います。失敗しても取り返しのつかない金額にならないよう、最初は無理のない範囲で試してみることが大切です。
住まいのことも早めに考えておく
持ち家なら固定資産税・修繕費・リフォーム費。賃貸なら家賃が老後も続きます。どちらにも一長一短があります。
一人暮らしになったとき、今の家は本当に自分に合っているだろうか。部屋数が多すぎないか、駅やスーパーから遠すぎないか、階段の上り下りはいつまで続けられるか。
今は気にならないことが、10年後には切実な問題になるかもしれません。
最近では、自宅を担保に資金を確保する「リバースモーゲージ」などという選択肢もあります。住まいは老後資金と切り離せないテーマです。「まだ先のこと」と思わず、一度しっかり考えておきたいと思います。
一人で抱え込まなくていい
老後のお金の悩みはデリケートだから、誰にも言えずに抱え込んでしまいがちです。私自身、こういう話を面と向かってできる相手が近くにいないので、つい頭の中でぐるぐると考えてしまうのです。
でも、ファイナンシャルプランナーや公的な相談窓口に話してみると、「思ったより大丈夫ですよ」と言われるケースも少なくないらしいです。第三者に話すことで、頭の中のもつれが解けることもあるでしょう。
私は「大丈夫ですよ」と言われることはないと思うので、相談は必要だなと思っています。
ハローワークの職員さんが「またいつでも来てくださいね」と言ってくれたように、相談できる場所は意外とあちこちにあります。知らないまま心配し続けるより、知って安心するほうがずっといいと思います。
まとめ 60代は諦める年齢じゃない
不安は、行動することでしか減りません。
- 家計を見える化する
固定費を見直す
健康を維持する
無理なく働く
お金を守りながら活用す
一人で抱え込まず相談する
どれか一つでも始めれば、漠然とした不安は少しずつ「やれることをやっている」という感覚に変わっていくのです。
人生100年時代と言われる今、60代はまだ通過点です。
今日始めた小さな一歩が、5年後・10年後の自分を助けてくれる、そう信じながら、私も動き続けようと思っています。
